名古屋市から国道1号線を東へ向かうルートは、ほぼ旧東海道を辿る道になります。たまに国道から離れて並行する旧街道には、昔ながらの風景が残された場所も多くあります。今回は、三河国から遠州方面に抜ける途中にある、赤坂宿から御油(ごゆ)あたり……特に御油(ごゆ)の松並木を歩きました。たった数キロの道、昔の人にとっては散歩にもならない距離かもしれません。しかし、その通りには数えきれないくらいの「面影」が詰まっていました。
御油の松並木資料館
当初は、御油の松並木だけを見る目的で立ち寄りました。この松並木資料館には、昔の東海道の様子や当時の人々の暮らしなどが分かる資料が展示されています。今でも十分歴史を感じる風景が見られますが、それでも歴史上では新しい方なのでしょうね。当然アスファルトなどありませんし、車などない時代に栄えた街道ですから。
資料館から御油の松並木へ
松並木資料館を出て、御油の松並木まで旧東海道を歩く……ここまではまだ「これだけを目的にして」訪れていました。この辺りから早速、街道の雰囲気に魅了されていきます。車では何度か通ったことのある道ですが、歩くとまた趣が違います。ひとつひとつの景色は、道こそ舗装されましたが各所に古い時代を感じる風景があり、歩いていて飽きません。
御油本陣跡(ごゆほんじんあと)
街道沿いには、所々で何気なくこのような碑が佇んでいます。本陣は、いわゆる宿のような存在の中でも大名行列の一行が主に用いた場所です。この辺りには本陣の建物は残っていませんが、お殿様や一行の息遣いが聞こえてくるでしょうか(いや実際に聞こえたら全力で逃げますが)。
そして、本陣があったことをうかがわせるものは、ほぼこの看板のみ。先程「昔ながらの風景が残る」と触れましたが、もちろん生活しているうちに無くなっているものも多くあることでしょう。
イチビキの工場(?)
松並木までの街道沿いに、イチビキの工場があります。醸造所かな。イチビキは、醤油や味噌などで有名なメーカー……なのですが、愛知県だけなのでしょうか。全国的にはどうなのでしょうね。とにかく、その敷地の間を通るようにして、松並木へと向かっていきます。
御油の松並木
まずは、尾張方面に向かう側の松並木の様子です。ただ、資料館の駐車場が小さかったことを思い出し、いったん引き返すことにしました。平日の昼間だったとはいえ、複数の見学者がみえたら駐車場を使えなくなりますからね。
ここから、車で音羽の生涯学習会館まで向かい、もう一度そこから逆方面に歩くことにします。
次回は、別の駐車場に停めたあと、逆方面から松並木へと向かって歩いた様子をお伝えします。