名古屋から東濃の山城を巡るドライブ。秋の紅葉シーズンとも重なって、風景も楽しんでいただけるのではないかと感じています。前回、苗木城に到着するところまでお送りしました。今回は苗木城を登ってきた様子を紹介します。
前回の記事は、以下のリンクからご覧ください。
秋の東濃で山城を巡るドライブ~中津川インターから苗木城へ~
苗木遠山資料館
9時半に開館すると聞いていました。現地に到着したのが、9時31分。狙ったわけでもないのに、凄いタイミングで到着したな……そう思いながら前に立ったのですが……どういうこと?
35分過ぎに、おじさんが慌てて開館の看板を出しましたが、中は暗いまま。
入口でパンフレットももらったし「もういいや」ということで、入館せずに登城しました。
苗木城の紹介
石垣の話とか、マニアックに紹介するとまた変なスイッチが入りますので(^_^;)
一般的な範囲で魅力を紹介します。
苗木城は、花崗岩の「石の上」に建てられた珍しいお城です。前回から写真で紹介しているとおり、山の上にある姿は壮観です。ただし、現在は石垣(と展望台)のみで、お城は残っていません。石垣と、パンフレットなどで見る過去の姿と、あとは想像力で……お城を感じられます。
それでも、石垣がそのまま残っていると建物の存在も感じやすくて魅力はありますね。ヘタに現在の建築物が建っているよりも、ありし姿を想像できて面白いかもしれません。
石の上に建てられた技術や、年代ごとの石垣の積み方、そしてお城(の石垣)そのものやお城からの景色などを感じられるところが魅力です。
まずは苗木城の門まで
苗木遠山資料館の駐車場から苗木城の門まで、坂をそれなりに登ります。自然の中を歩く感じなので、マイナスイオンを感じながらちょっとした山登りをするイメージでしょうか。それほど厳しい道ではありませんが、靴は動けるものを履いていくことを強くお勧めします。
近付くと、今度は石畳の道を歩きます。こちらもまた微妙に歩きづらい感じはありますね。
足軽長屋跡で苗木城の撮影
まず、右手に足軽長屋があります。ここは、苗木城の全貌を撮影できるスポットです。
さて、もしも撮影を兼ねて苗木城に行く計画を立てているのであれば、1つおすすめしておきたいことがあります。可能であれば、苗木城は午前中早い時間帯に訪れるのは避けた方がいいです。何故ならば、白くぼやけた写真をご覧の通り……思いっきり逆光になるからです。写真を撮らなければ問題はないとはいえ、やはり見上げて眩しいのは多少ストレスを感じるかもしれません。足軽長屋から撮ったものではありませんが「思いっきり逆光」を証明する写真をおひとつ。
あとは、ここだけで1日過ごすのでなければ、計画上避けられない場合もありますよね(^_^;)
苗木城の門と石垣
門の跡がいくつかと、作成された年代ごとに造りの異なる石垣。説明し始めると大変なことになりそうなので、さらっと紹介しますね。
門は、それぞれの場所で「ここにあったんだな」と感じることができます。
また、柱があった跡も見られるので、石の上にお城を建てた当時の苦労を感じ取れます。
石垣は、注意して見ると作られた年代が分かって面白いです。
最も古い年代・戦国時代初期のものは、大小さまざまな石が重ねられて石垣を形成しています。年代が新しくなると、今度は大きな石をある程度均等に並べられた状態で積み重ねられます。そして、できた隙間に小さな石を埋め込んでいく。隙間が少なくなれば、手の指や足がかけにくくなり、攻めるときによじ登られる可能性が低くなりますよね。さらに年代が新しくなると、石を加工してぴったり隙間を無くす技術が生まれます。隙間がほとんどなければ、お城を守る際石垣をよじ登られる心配を考えなくて済みます。上の写真では、左上が古い年代に作られたもので、写真の真ん中やや右は比較的新しい時期に作られたものでしょうか。
また、天然の大きな石の上に石垣が作られている点も、苗木城の特徴です。この辺りは大きな花崗岩で占められていて、苗木城は一つの大きな石の上に建てられた珍しいお城だそうです。
本丸からの眺め
本丸には、天守閣のあった場所に展望台が建てられています。
大きな石の上……何故こんな条件の場所にお城を建てたのか。ここからの眺めを見れば分かるのではないでしょうか。
とにかく絶景です。これは写真や言葉では伝えきれないものがあります。見下ろす木曽川、集落、遠くの山々、恵那山……。周囲を見渡せる要所として、重要な拠点になっていたことでしょう。
平和な今は「ただただいい景色・絶景」として眺めていますが、戦国時代当時のお城にいた人々はどのような気持ちでこの景色を眺めていたのでしょうね。
展望台を降りてみると……
そこにも、お城の天守閣の土台であった跡が見られます。本当にここに天守閣があったんだなと実感できますね。
そして……展望台の土台部分を見て少し青ざめました。
こんな感じで建っているんですね……まあ、このご時世なので強度などの基準は満たしているんでしょうけど(^_^;)
苗木城周辺の紅葉
苗木城の魅力の一つに、あらゆる所から見る景色があります。
遠く見渡した風景、近くに見える紅葉、色付いた山々。ちょうど今がいい季節です。11月上旬時点での写真をいくつか紹介して、苗木城の話題を締めたいと思います。
次回紹介するときは、もう少しマニアックな話題もしてみようかな♪
次回からは、苗木城のあとで訪れた「女城主」として知られる岩村の話題に移ります。岩村の城下町と、日本三大山城の一つとされる岩村城を、それぞれ分けて紹介します。