両親の老後対策

相続対策・認知症対策の前に押さえておきたい相続の基本

相続対策や認知症対策など
ご両親を始めとした身近な方の
老後の対策を紹介していくこのシリーズ。
このシリーズの記事は↓こちら↓からどうぞ。

「認知症対策・相続対策シリーズ」記事リンク

今回から具体的な内容に入るつもりでしたが
予定を変更して、もう少しだけ
あらかじめ知っておくと役立つ知識を紹介します。

筆者紹介

私は、本業で相続関係のコンサルティングに携わっています。
相続はもちろん、その前の段階として、相続対策や認知症対策
さらにその前段階になる介護予防などの重要性にもよく触れています。

Taka
記事の下書きを進めているいるうちに
「こういう事例の人はこの選択肢がおすすめ」
みたいな内容が多いことに気付きました。
具体的な内容の前に、ご自身の事例がどこに当てはまるかも含めた
「軽い知識」はある程度得ておいた方がいいかなと思います。
今回の記事も、できる限り分かりやすく伝えていきます。
ご自身やご家族に当てはまる事例が分からなかったら
聞いていただいたらお答えしますよ♪

なぜ亡くなったときの話が必要なのか

このような話を始めると「縁起でもない」という声は必ず起きます。
当然です。私だって直感ではそう思いますから。
でも「死んだら云々」というものとして考えず
知識として片隅に置いておくだけでメリットはあります。

誰に遺産が行くのか把握できる

ここで「卑しい」と感じた皆さん。
ドラマの見過ぎです(^^;)
遺産には、資産もあれば負債もあります。また、それに伴う責任もあります。
たとえば、身内に大きな借金を抱えた人がいたとしましょう。
その人が亡くなったら?
親戚が多額の借金を背負って亡くなり
相続放棄→相続放棄で
対岸の火事だと思っていたのに
気付いたら自分が相続人になってしまっていた……
ここで初めて事態に気付いて
慌てて相談に駆け込んでくるケースは本当に多くあります。
ここでもあらかじめ知っておけば
「来る可能性があるな」と準備はできたはずです。

また、遺産にかかる「責任」とは何でしょうか。
たとえば、ご両親だけで住んでいる土地・建物が相続で回ってきたとしましょう。
もう誰も住まなくなった土地や建物でも
相続されて所有者になった以上は、管理する責任が生じます。
管理できず売るとなっても、一等地以外は意外とすぐ売れなくて
そこで躓く事例も多いですよ。
あらかじめ認識しておけば、将来どうするのか決めて
その辺りの相場や傾向などを把握でき、いざという際に役立ちます。

もちろん、最初に多くの人がイメージしたであろう
「多額の資産の行方」も分かりますけどね(^^;)

どういう分割ができるか、あらかじめイメージできる

遺産分割って、(ドラマはともかく)実際には
「欲しいvs欲しい」で揉めるケースは「思ったほど」多くないんですよね
(「思ったほど」ですよ(^^;))。
では、どういうケースでよく揉めるのかといえば「信用問題」です。
財産の話になると、どうしても「遺産を多く欲しがっているのか」と疑心暗鬼になり
相手が信用できなくなる……そして相手の主張に疑問を呈せば
今度は相手から「こいつ、遺産を欲しがっているな」と信用されなくなる。
これもある意味「ドラマの見過ぎ」なのかもしれません。
そのため
「ちょっとでも話し合っておけば」というケースが本当に多いですね。
もっとも、だからといって
その全てが事前の話し合いで解決できるほど甘くはないでしょうけど
「法律でこの割合だから、それに従ってこんな感じでいいよね」
というちょっとした共通認識ができるだけで違ってきます。
現金預金だけなら、話し合った割合分だけ単純に等分すればいいでしょう
(そこで割り切れなかった1円単位の端数で喧嘩するなら
もう勝手にやってください(^^;))。
しかし、土地や建物が遺産のメインになる場合には単純に割るのも不自然です
(持ち分を分ける手はありますが、あまりおすすめはできませんね。いずれ紹介します)。
そこで「どう分けようか」という話し合いが必要なのですが
亡くなってから「イチ」の状態から始めると、時間が足りないケースも見られます。

対策が取れる

実は、一番言いたいのはコレです。
ここまでの説明でも随分ほのめかしていることですが
「じゃあどうしようか」という「次の段階」に進めますよね。
税金面での対策や、不動産(土地や建物など)の移転など
予備知識を持っておくと、多くの事柄に対処できます。
また、「この人だけに財産を継がせたい」と考える場合にも
本来なら相続する権利のある人に対して
事前に手を打っておくこともできますよね。

それでは、そんなことを考えながら
これから先を「知識として」読み進めてみて下さい。

「法定相続人」と、相続の優先順位

法定相続人って、聞いたことありますか?
これは
「黙っていても、遺産を相続する立場になる人」
と言い換えて問題ないでしょう。
「なる人」ですが、見方を変えれば「なってしまう人」でもありますね。

相続する財産の割合は、構成する相続人によって異なります。
ここが、やや煩わしいかもしれませんね。
ただ、学問や仕事上で知る必要のある人を除き
知るべきなのはせいぜい数通りでしょう。
要するに
・今誰かに何かあったとき、自分や家族は相続人になるのか
・そのとき、割合はどのくらいか
このあたりでしょうか。
実際のところは、割合を気にするケースも少ないでしょう。
そこは最終的なところで考えるべきことですから
あまり事前に拘るポイントではないですもんね(^^;)

絶対に相続人になる人

配偶者
配偶者・・つまり、結婚している相手
もっと言い換えると、妻や夫にあたる人です。
ただし、戸籍上の配偶者でなければいけません。
内縁の場合は相続人にはなりませんね。
配偶者がいる場合、他にどんな立場の人がいても
(相続人の構成しだいで割合は変わりますが)相続されます。

相続順位1

子・孫やひ孫など
難しい言葉で「直系卑属」といいます。
これは言い換える必要はないと思いますが
養子や「奥さん以外の人との間に生まれ、認知された人」も
対象になる点がやや注意。
再婚などで別の所帯に子どもがいる場合でも
その子も「同等のきょうだい」として相続の対象になります
(いっぽう、再婚相手の連れ子の場合は対象から外れますので
その子に財産を分けたければ、養子にするなどの対処が必要です)。
そして、きょうだいには均等に遺産が渡る点もポイントですね。
昔は「非嫡出子」といって、婚姻関係以外の女性から生まれた子は
相続割合が少なかったのですが、今は対等になっています。

配偶者が既に亡くなっている場合には、子(と孫)に100%財産が行きます。
孫が相続人になるのは、子(その孫の親)が先に亡くなっていた、というケースですね。
「生きていたら相続人になったはずの人」の相続分だけ相続することになります。
孫にきょうだいがいれば、そこからその人数分だけ等分されます。
ひ孫の場合は、子も孫も先に亡くなっていたときに発生しますが……
私は、実例は見たことないですね。

「相続順位1」までは
「該当すれば必ずいくらかは相続される人」といえます。

相続順位2

親や祖父母など
直系尊属、といいます。
亡くなった人が独身だったり、配偶者だけで子どもがなかったりした場合
親や祖父母が健在であればそちらに相続されます。
まあ、お気付きだとは思いますが
やはり祖父母やそれ以上の立場の相続人は
現実的には相当のレアケースですよね。

ここからの人達は、該当しても
先順位の相続人がいる場合には、相続が回ってこないケースも出てきます。
亡くなった人に子どもがいた場合には、配偶者や子どもに相続され
この相続順位の人には回ってきません。

相続順位3

兄弟姉妹
亡くなった人の兄弟姉妹が相続人になるケースは限られます。
子どもがなく、親や祖父母などももう亡くなっている場合のみ
相続の順位が回ってきます。
ただ、結構相談が多いのもこの立場の人なので、警戒は必要です。
先程の「多額の債務がある親戚がいる」というケースで
ここまでの知識はあって「自分は大丈夫だ」と思っていると……
たとえばその人の妻子が放棄し、親が既に亡くなっていて……
相続放棄すると、その放棄した人は「いなかったことになる」ので
次の相続順位の人に相続が回ってくるのです。
自分も放棄すればいいのですが
いきなりでは何をしていいのか分かりませんよね。
いずれ相続放棄のお話もします。

相続の割合

相続の割合、ねぇ。
実用面でのニーズについて、対策の段階ではあまりないと思いますが……
知識としてまあ読み流しておいてください。
というのも、話し始めた以上触れずに終わるのも変かなと(^^;)

もちろん、税金だの何だので相続される割合が重要になる立場の人もいます。
でも、相続税がかかるほどの遺産を継ぐ人は
対策だの何だのという記事なんか興味ないでしょう(^^;)

さて、さらっと行きましょうか 笑
「庶民」にも必要な情報も多少交えていきますね(^^;)

パターン1・夫婦と子ども

夫婦と子どもの家庭……
ここが一番該当が多いと思うので、ここだけ太文字で色を変えましょうか。

(そういえば「核家族」って言葉、同世代の皆さんはよく聞きましたよね。
今も使われるんでしょうか?……って、関係ない話ですね(^^;))

夫婦のどちらかが亡くなった場合
配偶者……2分の1
子ども……2分の1
子どもは、きょうだいがいれば等分されます。
2人きょうだいなら4分の1ずつ、3人なら6分の1ずつになりますね。

最近は再婚されるケースも多いですが
前の配偶者との間にできた子にも同じだけ相続されます。
もしも、今の配偶者との子だけに相続させたいなどの意思があれば
早いうちに対策を立てておいた方がいいでしょう。

パターン2・夫婦のみ

夫婦だけで、片方が亡くなった場合には
他に遺された人によって割合が変わります。
……知りたいですか?(^^;)
もう飛ぶリンクでも作ろうかと思ったんですが
面倒臭いので(ぉぃ)このまま流します。

亡くなった人の親(祖父母)が健在であれば
3分の2……配偶者
3分の1……両親(祖父母)
両親のどちらかが健在なら祖父母には行きません。
亡くなった人の両親が亡くなっていて、兄弟がいる場合
4分の3……配偶者
4分の1……兄弟姉妹
兄弟姉妹のうち、亡くなっている人がいて、その人に子どもがいれば
その子どもにまでは相続されます。

パターン3・ひとり

独身の兄弟姉妹がいる場合
将来を想定しておく必要があるかもしれませんね。
ご両親が健在ならご両親
もう亡くなっていればきょうだいに相続が回ってきます。
ただ、以前結婚していて、そのときにできた子どもがいれば
その子どもが全て相続することになります。

まとめ・対策に活かすために基礎知識を得ておこう

遺言や信託等々、相続対策や認知症対策をしていくために
まずは自分やご両親など、身近な人がどのタイプにあてはまるのか
考えておくのが近道にもなるでしょう。

「誰々が死んだら」なんていう見方で考えると辛い話ですが
まずは知識として「第三者目線」でも取り入れておけば
いざという時に役立つはずです。

さて。
次回は「今度こそ」具体的な話をしていきますね。
第一歩として、遺言の話をします。
世間一般でイメージされている「遺言」というものの見方が
ガラッと変わるかもしれませんよ。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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