静岡県西部・浜松市の中心部にある浜松城。この地が歴史の表舞台に登場するのは、徳川家康がこの地を治めたところからでしょうか。織田信長と同盟を結んで、この地を治めていた今川を滅ぼして領土を拡大し、いずれ武田信玄親子が率いる武田氏と対峙していく。そんな「領土拡大期」の徳川家康の足跡を探しに、浜松城まで行ってきました。
愛知発・史跡巡りシリーズ。今回はこの浜松城を紹介します。
浜松城までの道
名古屋あたりからまっすぐ向かうのであれば、東名高速道路の三方原スマートインターあたりがお勧めでしょうか。私は東三河で用事があったので、豊川インターから下道を使って行きました。
どちらにしても、インターからはそれなりに離れているため、しばらく下道を走ることになります。
冒頭に触れたとおり、政令指定都市になった浜松市の中心部に浜松城はあります。そのため、交通の便は良い方でしょう。
浜松城に到着
出かけた日は平日でしたが、ちょうど学校の団体さんとバスツアーが重なったらしく、正直ゆっくりはできませんでした。こればっかりは仕方ないですね。
時間があまり無かったので、何はともあれまずは天守閣に向かいます。駐車場から天守閣への道は、それほど遠くはありません。ただ、お城によくありがちですが、そこそこの登り坂が待ち構えていますので、それなりの覚悟は必要です。
浜松城の石垣
お城を見るとき、その石垣にもドラマが隠されていることが多い……のは、お城好きなら有名なお話。この浜松城にも当時の石垣が残されています。
ただ……これは角度の問題なのか何なのか、随分石垣が「余っている」ようにも感じますね。こういうところも含めて、石垣を見るのもまた面白いものです。
ちなみに、浜松城の石垣は基本的に「野面積み（のづらつみ）」と呼ばれる手法で、自然にある石をそのまま積み上げたものとされています。
浜松城の天守閣
小高い丘の頂に、三層の天守閣を構えています。岡崎城もそうでしたが、ここも知名度の割に「小さめ」なイメージでしょうか。ただ、徳川家康の時代でもまだ三河（愛知県東部）と遠江（「とおとうみ」・静岡県西部の現在でいう浜松市を中心とした地域）の2カ国を治めていたにすぎず、実際のところはこれくらいの規模が普通かもしれませんね。前の段落でも触れたとおり、坂はそれなりにキツいです。何となく「海に近い平城」をイメージしていたので、意外ではありました。
浜松城にある家康公の銅像
どちらかというと若い頃、ちょうどこの辺りの領主になった頃の銅像でしょうか。この銅像はどちらを向いているのでしょうね。どこかに書いてあったのかもしれませんが、見落としました。
天守閣の方向とは違ったので、あとは領民の住む城下町か、あるいは武田の領地がある東の方角か、はたまた故郷の三河か。
三方ヶ原の戦いで、このお城あたりで描かれたとされる「しかみ像」が大きくなって置いてあるかと思ったのですが、それは目立つところにはなかった気がしますね。
浜松城の魅力
正直に言うと、今回すべての魅力をお伝えできてはいないと思います。用事のついでに寄った程度では何も伝えられないでしょう。これからも浜松城の魅力は「更新し続ける」として、現時点で思うことを書いておきます。まずは、徳川家康が歩んだ「苦難の時代」を確認できることでしょうか。浜松城そのものに苦難の面影は感じられないでしょうが、付近では「家康の最初で最後の大惨敗」とも伝えられる三方ヶ原の戦いに関する史跡も多くあります。「綺麗」や「威厳」などで表現される、外から見る何かですぐに感じる魅力は少ないかもしれません。しかし、その場に立って「ここで実際に立ち会った人の気持ち」を考えるには良い場所だと思います。
次回は、その「しかみ像」誕生の発端となった、三方ヶ原の戦いの地を紹介します。ここは大河ドラマでも2回に分けていたので、こちらも紹介記事を2回に分けようかなと思っています。
