果物を種から育て始めて3年が過ぎようとしています。初めは柚子でしたが、いくつか芽は出たものの失敗。そこから本格的に取りかかるようになりました。この3年間で成功したものもあれば失敗したものもあります。今回は、現状報告から少し離れて、食べた果物を種から育てたいと思った方々の参考になるように、ここまでの経験則から育てやすさ・育てにくさについて語ってみます。 続きを見る
ちなみに、育てている地域は愛知県の都市部です。気候なども参考にしていただければと思います。なお、評価は筆者が自ら育ててみた体感100%で書いています。
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果物を種から育てる楽しさ
花が咲いたり実をつけたりして、それを鑑賞できる・食べられるのもきっと楽しいでしょう(まだ個人的に実がなる段階まで行っていないので推測にしておきます)。そして現時点でも、そうなったときを想像して育てるのが本当に楽しいです。「うまくいけば花や実をつける可能性のある観葉植物」と考えて育てたり、お子さんと成長を一緒に観察する材料にしたりするのも良さそうですね。
果物を種から育てるときの注意点
次のことだけは事前に分かっておいた方が、精神安定上いいかと思います(^_^;)
同じ美味しいものができる確率は極めて低い
育てることがメインで、できる果物は副次的なものと考えた方が良さそうですね。私もまだ実まで辿り着いていませんが、「自分で育てたものの美味しさ」は味わえるのではないかと期待はしています。
果物の購入費用の節約にはならない
土代・植木鉢代・肥料の費用から水道代など、育てるにはそれなりの費用、そして手間は発生します(^_^;)
こういうことが好きな方々にとっては、それでも楽しいことは保証します。ただ、昨今の物価高で果物の値段を見て、単純に「これなら育てた方が」というのは無理です。自家製の安い果物の代わりに、農家さんに対する感謝や尊敬の心が育つことでしょう。
種から育てやすい果物を紹介
ここでは、種から育てやすい果物と育てにくそうな果物を、3年の経験をもとにして紹介しています。
YouTubeでも紹介しましたので、あわせてご覧ください。
基準の見方
種から発芽しやすさ
A:そのまま植えて水をあげれば、一定期間ののち比較的高確率で発芽する
B:少し手を加えれば、比較的高確率で発芽する
C:手を加える必要はない(または加えようがない)が、発芽率はやや低い
D:手を加えた方がいいが、それでも発芽率は低い
E:発芽率はかなり低いので、いくつも植えた方がいい
育てやすさ
A:水さえ切らさなければ、育ってくれる子が多い
B:土や肥料などある程度気を遣ってあげないといけない
C:Bに加えて、病気対策や虫対策も必要
D:原因不明に枯れる子もいて現時点では難しそう
E:長くかかる、またはそもそも難しそう
種から育てやすい果物
枇杷
発芽しやすさ……A
育てやすさ……A
よくネタにする定番ものです。保育園児だった弟が種を蒔いてジョウロで水をやって、飽きてからいつの間にか大きくなっていた子……今も実家でほぼ放置状態ながら毎年実がなります。
桃・杏・プラム・プルーン
発芽しやすさ……B
育てやすさ……C
桃類、とでもいいましょうか。殻は割った方が発芽率も高いと思います(形がしっかりしていれば発芽率は8〜9割あると思います)。殻を割るのは、私は「中身の種が完全かどうか確かめるため」という理由が全てです。そのため、薄皮まで剥がすことはしていません。薄皮があったことが原因で発芽しなかった、という事例は今のところ見ていないですね。あとは、今まですべて休眠打破しています。
発芽後は、ハダニとアゲハチョウの産卵に要注意ですね。土は水はけの良さを重視しています。ただ、あった土で適当に育てた子も植え替えるまで普通に育ったので、どこまで水はけが影響するのかは正直なところ分かりません。
ぶどう
発芽しやすさ……B
育てやすさ……B
高確率で発芽はします。その後一つしか育ちませんでしたが、明らかに水のやりすぎというミスが原因と考えています。
桃類と同じく、水はけのいい土を使っています。まだサンプルがひとつ、しかもまだ育てて1年半の段階ですが、今のところ極端に育てにくい状況には当たっていません。2年目の夏を迎えて大きくなってきたので、今後は虫など気をつけないといけなくなりそうな気もしています。
りんご
発芽しやすさ……C
育てやすさ……B
まず種について。やり方が悪いのか分かりませんが、発芽率は低めです。休眠打破してみても、そのまま植えて冬を越しても、なかなか率が上がりません。ひとつ植えて手をかけるより、いくつか植えてそのうちひとつふたつ発芽を期待する形の方が良さそうに感じます。
発芽した子達は発芽から3年経ちましたが、今年はまだ花とかは咲きませんでした。果物であればこれが普通だとも思います。今のところ、特に虫とかの対策も取っていませんね。土はやはり水はけの良さ優先です。
種から育てにくそうな果物
さくらんぼ
発芽しやすさ……D
育てやすさ……D
発芽した数少ない子が、間もなく発芽後1年になります。発芽率はかなり低いです。殻を割って中身の種が不完全なものや傷んだものを取り除いた状態でも、10にひとつ発芽したかどうか。Dにしましたが「E寄りのD」ですね。将来もっと悲劇的な発芽率の果物が出てくる可能性も考えてのDです。
発芽した子も生存率は5分の2。ただ、これは発芽して入れ込んだ私が水をあげ過ぎたのが原因と思われます。それでも、他の果物より水分量などが敏感だったこともあるとは思うので、気は遣いますね。まず冬を越した子(親:アメリカンチェリー)と、この冬に発芽した子(親:佐藤錦)の育ち具合次第では、Cに格上げできるかもしれません。ただ、まだ小さな佐藤錦くんには冷や冷やで、連日目が離せない状況です。……ということはやっぱりDかな(^_^;)
柑橘類(柚子・レモン・みかん類)
発芽しやすさ……A
育てやすさ……E
食べた種をそのまま栽培用ポットに植えて、あとは定期的に水をあげていれば結構な確率で芽を出してくれます。期間は気候によると思いますが、おおむね2〜3カ月といったところでしょうか。もっと早く、1カ月くらいで発芽した子もいます。
今のところ、柑橘類同士での差はさほどないように感じます。
育てやすさをEにしたのは、冬をまだ一度も越せていないのが主な理由です。原因が今のところ分からないんですよね……柚子は今年も危ない状態です。スイートレモネードが辛うじて生き残るかも。あとは、単純に年月がかかり過ぎますよね。実がなるのが20年後では、私は多分生きていません 笑
現在奮闘中!種から育てる難易度不明の果物
洋梨(ル・レクチェ)
発芽しやすさ……B
この春に発芽した子達です。そのまま植えた子と休眠打破させた子がいますが、休眠打破させた子達だけが発芽しています。偶然なのか、そのまま植えて冬を越す方法が何か間違っていたのか、真相は不明です。
まだ葉っぱ数枚のかわいい子達なので、育てやすさは当然不明。しかし……今10くらい芽が出ているんですが、全て育ったら私はどうするつもりなのでしょうか(^_^;)