食べた桃の種から、桃を育てています。2021年の夏に食べた桃を種から育てて、間もなく丸2年です。今回は、この2年間を振り返って、少なくとも2年は無事に育てられた、その様子や方法などを紹介できればと思います。 続きを見る
今、美味しい桃を食べて種から育ててみたいと思っている方の参考になれば嬉しいです。
過去の記事は下のリンクからご覧下さい。
「家庭菜園」記事一覧
種から育てる桃の発芽まで
桃の種の休眠打破と発芽
休眠打破については何度か紹介しているので割愛します。下に記事リンクを貼っておきますので、興味のある方は参考にして下さい。
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果物を種から育てる~早く芽を出す方法「休眠打破」〜
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桃以外の果物も、私は休眠打破で発芽まで育てていますが、別に休眠打破が必須ではありません。春まで水をあげて発芽させるのも良いかと思います。ただ、桃のように固い殻に覆われている種は、割って中身を出しておいた方が良いでしょう。発芽しやすくなるのはもちろん、中には中身が未熟だったり逆に腐っていたりして、元々発芽の可能性がない種も存在するからです。
桃の種の発芽まで
休眠打破をした場合、その時点で種から芽が出ているものもあるかと思います。でも、芽が出ていなくても形がしっかりしていれば、植えておけばかなりの確率で発芽するので諦める必要はありません。
休眠打破でない場合、私は実体験がないので何とも言えません。他の果物(りんご)で一度行ったときは、土の表面が乾かない程度に水をあげ続けていたら無事発芽しました。
桃の種の発芽後
休眠打破すると、発芽は秋。その後しばらくして冬を迎えます。私はミニ温室を利用していますが、使用するにあたっては少し注意した方がいいでしょう。というのも、私自身、昨年もう一度種から育てようとした際に1日で全滅させてしまった体験があります。以下に、そのときの失敗談と注意点を紹介しておきます。
発芽して間もない桃を全て枯らしてしまった体験
10月中旬、朝晩冷えてきたなと思う頃に、発芽した桃達を日中もミニ温室に入れて、全て枯らしてしまいました。思えばまだ10月、栽培地は愛知県の都市部。日中は温室に直射日光が当たれば40度を超えていたでしょう。夜、仕事帰りにミニ温室を見た瞬間、事態を察しました。もう夜なのに、温室内に手を入れると真夏のような暑さになっていて、中の桃達は全て茎から萎れていました。
桃を枯らした反省点1.桃は寒さに意外と強い
1年目、ワサワサと予想外に多くの種が発芽したとき、外に放置していた芽もいくつかありました。また、そこそこ寒くなるまではミニ温室は購入していませんでした。それでも「寒さで枯れた」と推測されたのは一度、寒波が襲来して霜が降りたときだけです(単なるしまい忘れ、あるいは寒波を甘く見た結果でした)。
「寒さで枯らしてしまった」という記憶だけが先行していましたが、霜が降りるくらいの寒さでなければそこまで気遣う必要はなかったように思います。
桃を枯らした反省点2.昼間の温室は暑い
真夏などに、日中駐車している車内の暑さに対する注意喚起はよく目にしますよね。あれと同じことは当然温室でも起きます。そこで
・直射日光に当てない
・昼間は基本的に温室から出す
・温度差が激しくならないよう、温室のチャックを少し開けておく
あたりを、その後から意識しています。
あとは、栽培する地域の気候差によって対応は変わるでしょうね。
種から育てる桃の栽培・1年目
冬を無事に越して、春を迎えた桃達。最初の冬は、休眠打破の場合発芽して間もないため、葉っぱが落ちない程度の温度を保って育てました。これが霜にやられない程度に寒風に晒していたらどうだったのでしょうね。葉っぱが落ちて茎だけになったのかな。それとも枯れてしまったのかな。この辺りは実験する気は起きませんが……。
もしも休眠打破で秋に発芽させたのであれば、冬の間は室内で育てるのもありかもしれませんね。
種から育てる桃の栽培、1年目の春から初夏
葉っぱが茂ってきているので、水は地面が乾かない程度に与えていました。1年目でまだ小さいので、水分を吸収しきれず根腐れを起こさないよう注意していた時期です。そろそろ肥料も与え始めていましたが、まだこの時期は「ほどほど」で、肥料の袋に書いてある規定量の半分ほどにとどめていた記憶があります。
1年目の春から初夏にかけて、最も被害を受けたのは、ハダニでした。栄養分を吸い取られるように葉っぱの色が落ちていき、成長していた先端の葉先がやられて、いくつかの桃が枯れてしまいました。
ハダニがついた際の特徴
葉っぱの色が変わる
緑色が薄くなったりまだら模様になったりします。気づき始めたときに対処すれば、それほど大きな影響なく育てられると思います。
先端部分に糸状のものがかかる
ハダニはクモの一種だそうです。そう考えればクモの巣といっても良いのかもしれません。こうなったら危険です。育てていた桃のうちのいくつかも、それでその部分から成長が止まり、駄目にしてしまいました。
ハダニの対策
ハダニの対策としては、そろそろ負担のかからない範囲で剪定などして風通しを良くするべきだったかなと考えています。ただ、これは実証したわけではないので、大きさや負担などを考えて対処して下さいね。
ハダニがついてしまった場合、桃を育てるシリーズ中何度か触れている通り、薬に頼るのが一番早そうです。私はそうしています。おすすめは下の商品。一度の使用である程度駆除できます。
種から育てる桃の栽培、1年目の秋まで
この頃から、木質化しているのが一目で分かるようになり、「茎」から「幹」と呼べるくらいしっかりして木らしくなります。
この頃は、前述のハダニ以外はあまり気にしていなかったかな。水は基本的にほぼ毎日あげていました。あと、成長度合によっては鉢のサイズアップも検討したい時期ですね。
とにかく、冬を越すためにできるだけ大きく育って欲しい時期でもあります。
種から育てる桃の栽培、2年目
実質初めての冬へ
落葉が始まり、1年目は文字通り「温室育ち」だったので不安になる時期です。寒風に晒されて、枝だけになった桃の木。でも、「桃の木」と呼べるくらい成長したなという実感もあります。
休眠状態か、枯れているか
初めての経験で不安もありますが、枝の色が違うのでよく分かります。枯れている枝は茶色くなり、生きている枝はどこか色が付いている感じ……うまく言えませんが、一目で「生気を感じる」ので、実際に見れば分かるはずです。あとは、来春に向けて芽が出ているのが確認できます。
冬場の水と肥料
基本的に休眠状態で、肥料は要らないはずです。そして、水は乾いたらあげる程度。私は鉢で育てていますが、水やりの頻度はだいたいの目安で1週間に1度程度でしょうか。もちろん、一日一度くらいは様子を見るようにして、そこで水やり時期の判断をしていました。
種から育てる桃、2年目の春
春になって葉っぱが出始めると「間違っていなかった」「枯れていなかった」という安心感に包まれます。葉っぱの量に応じて、少しずつ水やりの頻度を増やしていき、ある程度安定して暖かくなった3月あたりに肥料をあげました。
この春は花は咲かず……まあ「早くても来春」と冷静なところでは思っていましたが、残念な気持ちもあり……(^_^;)
「木」になった桃と、剪定
2年目の春から初夏あたりになると、木らしさが増すとともに葉っぱの勢いも良くなってきます。ここではそろそろ風通しを考えると剪定が必須になるかと思います。
剪定は、木の形を考えて……とか言われますが、正直よく分かりません(^_^;)
横に広がらないように、密集しないようにと考えて切りましたが、その後も元気ということは間違っていなかったのでしょう……と、その程度です。。
種から育てる桃、2年目の初夏から真夏にかけて
初夏から真夏の間は、基本的に毎日水をあげています。肥料は本格的に暑くなる前に、果樹用の市販の肥料を、外袋に記された規定の量だけ与えました。
虫の被害
初夏になり、昨年と同じくハダニの影響も受けました。しかし、昨年の経験と反省があったため、早めに対処して特に被害はありませんでした。少しは成長した……のでしょうか?
それとは別に、2年目は蝶の幼虫に苦しめられました。
毎日見ていたはずなのに、どこかに卵を産んでいった蝶。そして、葉っぱの緑色にすっかり同化して見つけられなかったイモムシ。葉っぱに明らかな虫食いが見つかり、下にフンが多数転がっているのを発見して初めて気付き、慌てて駆除しました。
それからは被害はないものの、警戒は続けています。
あと、被害はまだないものの、蜂の姿をよく見かけるようになりました。アシナガバチのようですが、これに巣を作られてはたまりません。2年目の真夏、今現在警戒中です。
種から育てる桃、3年目を迎える
現在の桃の様子……先日の台風で室内に避難させた際に撮影したものです。全部で4つの子が育っています。それぞれに成長差は多少あるものの、基本的にみんな元気です。
秋から冬に向けて
そこそこ大きくなってくれているので、油断は禁物とはいえ、昨年ほど気を遣ってはいません。ただ、桃栗三年……の3年目。実とまで行かなくてもそろそろ花が見たいな、という気持ちはあります。というわけで、晩夏の今の時期は「来春花が咲き実を付けられるように、今はただひたすら大きく育って欲しい」と思っています。とはいえ、ここまで育ててかなり情が移っていますからね。花が咲かなくてもそれはそれ。愛情は変わりません(笑)
冬の対策
1年目のミニ温室以外、あまり行っていません。霜対策や真夏などの虫対策として、マルチングは2年目の冬を迎える段階で行っています。今年もそれ以外に対策するつもりはないですね。
ただ、これが寒冷地でどうなのかは分かりません。あくまで比較的温暖な愛知県地方で栽培していての話なので、参考にされる場合はそれぞれの地域の気候に合わせてくださいね。
二年間桃を種から育てて~経験や失敗・注意点~
さいごに、2年間で経験したことを中心にまとめてみます。ここを読んで「種から桃を育ててみよう」と思っていただけたのなら、育てる際の参考にしてみてください。
土
水はけの良さ重視。
鉢底石を敷き、果樹用の土9・軽石1くらいの比率で調整しています。
水やり
乾いたらあげる程度で大丈夫。
肥料
木質化するまでは、普通の植物並に軽くあげるくらい。
1年が過ぎて木質化し、姿勢がしっかりしてきたら、春・夏・秋に果樹用の市販の肥料を書かれた規定量に従って与えました。
虫・病気対策
風通しを良くして虫などの「居場所」をなくすよう心がけました。
ハダニ注意。
ハダニの「威力」をナメていて、一年目に複数枯らしました。
2年目からは蝶や蜂も寄ってくるので産卵されていないか毎日確認。それでも卵やイモムシは見逃しがち。葉っぱや、下にフンが転がっていないかは確認が必要です。
剪定
2年目に入ってから、ある程度葉っぱが茂った段階で行ないました。
風通しを良くすること最優先
ただ、もう少し知識を得てからすべきだったかもしれません。
反省と、これから
成長面では、反省点は今のところ浮かびません。「あのとき実はこうすべきだった」という反省が今後出てくる可能性はありますが、外見上順調なうちはこのまま続けていきます。
その他も含めて一番の反省は「虫の対策をすべきだった」という点ですね。ハダニを含めた虫の被害は、表面化したときは既に手遅れということもあり得ます。元気で順調なうちから最低限の対策をしておくべきでした。
もう一つは、前述のとおり、温室に入れたままにして枯らしてしまったのは反省すべき……ですが、これは明らかな「凡ミス」ですから、あまり参考になりませんね(^_^;)
今後は、これも前述しましたが「今は大きく育てる」のが3年目の冬までの目標です。漠然としていて達成の基準が分かりませんが、とにかくしっかり育てます。